①ハイドン：交響曲第102番 変ロ長調 Hob.I-102
②ラヴェル：ピアノ協奏曲 ト長調

レナード・バーンスタイン(指揮、ピアノ②)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1971年2月21日 ムジークフェライン(ライヴ)

ウィーン・フィル創立150周年記念盤として発売された1枚で現在は一般的には希少、入手困難です。バーンスタインがウィーン・フィルと緊密な関係を構築し始めた頃のライヴ録音です。一発ライヴの凄まじいエネルギーが充満した演奏です。ラヴェルのピアノ協奏曲のソリストはバーンスタイン自身です。このあと10数年続くバーンスタインとウィーン・フィルの蜜月を予感させる名演です。バーンスタイン・ファン、そしてウィーン・フィル・ファン垂涎の1枚です。

お目当ては、バーンスタインが自らピアノも弾いている、そして、ウィーン・フィルハーモニーとしては珍しいラヴェルの協奏曲です。しかし、今回、これもまた実に久しぶりに聴いていて、１曲目のハイドンも捨てたものではないと思いました。この演奏会から10年ほど経った1983年から85年に、やはりウィーン・フィルハーモニーとともに、88番「Ｖ字」、92番「オックスフォード」、94番「驚愕」をライヴ録音しているバーンスタインですが、その３曲よりもこのハイドンの演奏が、バーンスタインらしく、切れ込み鋭くも作品を生き生きと蘇生させているように思います。ハイドンの交響曲の中では、あまり聴かない曲ですが、曲の作風はバーンスタインの体質に合っていると思います。演奏後の会場の拍手も思ったよりは盛大です。ラヴェルは、あのお堅いウィーン・フィルハーモニーがここまで揺さぶられているかという感じです。ハイドンとは大違いです。バーンスタインが自らピアノを弾かなかったら、ここまではオーケストラと一体化しなかったし、ウィーン・フィルハーモニーも前のめりにはならなかったでしょう。第１楽章で舞踏した魂が、第２楽章では祈りの境地に舞い降りたかのような感じです。バーンスタインらしいラヴェルであり、ウィーン・フィルハーモニーだからこそ描けた音の色彩感があります。ラヴェルのこの協奏曲では、もっともホットかつ特徴的な音盤です。

輸入盤【ドイツ盤】【廃盤／希少盤】
盤面傷無し、プラケース少し黄ばみあり

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